地金型金貨へ投資する前に知っておきたいこと10選
地金型金貨と記念コインのどちらを買うべきですか?
地金型コインについて持っておきたい知識をまとめましたので、
まずは簡単に地金型金貨とは、投資/保全用に鋳造された金貨になります。
価格は、鋳造などにかかるコストが上乗せされているため、グラムあたりの価格は金地金価格よりも高いです。
各国の造幣局が鋳造しており、 重量・品位は各国政府が保証しています。(最近、オーストラリア造幣局が中国に販売した金貨の品位に数年間に渡り不正があったとニュースがありましたので、政府保証はあれど、不信になってしまいますが。)
金貨には一般的に法定通貨としての額面が表示されていますが、額面は金貨の市場価格と比べて低く設定されていますので、お金として使用されません。
投資用以外には、不換紙幣に対するインフレヘッジとして資産保全用に買われます。また、国・年代ごとにデザインや発行数などに変化があり、コレクションを楽しむ方も多いです。以下、人気の地金型金貨です。
クルーガーランド金貨(南アフリカ共和国 .917)
メイプルリーフ金貨(カナダ .9999)
パンダ金貨(中華人民共和国 .999)
カンガルー金貨 (オーストラリア .9999)
イーグル金貨(アメリカ合衆国 .9167)
ブリタニア金貨(イギリス .917)
ウィーン金貨(オーストリア .9999)
バッファロー金貨(アメリカ合衆国 .9999)
地金型金貨へ投資する前に知っておきたいこと10選
1.目的は儲かるためではない
インフレで紙幣に紐つく蓄財の価値が目減りまたは無価値になった場合のダメージを軽減するために投資しておく。
2.地金金貨への投資割合は自分の資産から考える
金価格も上下に変動します。金価格が大幅に下落しても困らない程度に。そして、インフレで蓄財価値が消えてしまっても再出発できる程度を期間も含め考え算出しましょう。
2.コインの大きさで取得価格は高くなる
1オンスの重さの地金型金貨より、例えば小型1/10オンス金貨の方が鋳造コストで取得金価格は高くなります。
3.金価格より安く買えることはない
金の含有量から金地金としての価格を計算しましょう。それより安く売りに出ている場合は、訳ありです。良いか悪いかわからない判断ができない場合は買わないように。
4.記念金貨を見るような美的感覚を混合しない
地金型金貨が綺麗であろうと汚れていようと、その地金としての価値に変わりはありません。地金型金貨は大量生産品であるがゆえ品質が一定ではなく、中でも品質が良いものは希少という理由でプレミア価格を正当化し販売している場合もあります。地金型コインとしてそのような綺麗なコインばかりにプレミアムを払い投資した場合は、出口の際にナンセンスだったことに気づくでしょう。
5.安全な場所に保管
自宅に保管する場合は、金庫は必須。金庫ごと盗難もありますので、対策としてはSECOMのピタゴラスは有効です。自宅保管を避けたい場合は、銀行の貸金庫もありですが、保管コストがかかります。
6.金貨を保有していることは誰にも言わないこと
まれに言いたくてたまらない人がいますが、ただの泥棒や詐欺の標的です。
7.国家に対しての弱点、政策が根本的に変わるリスクを知っておく
安全な保管場所に銀行をあげましたが、銀行の貸金庫は政府の介入を特に受けやすいです。過去に強制的に徴収したことがあります。
8.積立てやETFで買わない
実物の金を手元に置かなくとも、金に基づく投資法がたくさんあります。安全や便利な印象を持ちますが、利用規約をしっかりと理解する必要があります。万一の場合に逃げ場もないデメリットでしかないのでおすすめはしません。
9.問い合わせ先がないところから買わない
素人が本物と見分けがつかないくらい完璧に近い偽造金貨があります。常に懐疑的な視点で。
10.安心感が得られる
自身の資産を有形として手元に持っておけることは、無形にはない安心感が得られます。労働の対価を有形として手元で眺めれるのはいいものです。
地金型金貨の特徴をおおまかに知っていただけたと思います。
私が地金型金貨投資に危惧するリスクには、やはり政府の介入徴収リスクがどうしても頭をよぎります。田中貴金属などから購入するにも個人情報が取られますし。これは国家に把握されているのと同じと考えるべきではないでしょうか。
地金型金貨への投資は、当面の生活を再スタートできるくらいにとどめるべきで、この万一の徴収リスクを回避できるアンティークコインやモダンコインを組み込むことをおすすめします。