1847年に発行されたゴシック・クラウン銀貨は、イギリスを代表する記念的な銀貨のひとつです。
彫刻を手掛けたのは、英国王立造幣局の主任彫刻師を務めた ウィリアム・ワイオン (William Wyon)。彼は生涯を通じて数多くの名作を残しましたが、本作はその中でも特に芸術性の高さで知られています。ゴシック様式の意匠は、当時のヴィクトリア朝芸術を象徴するものとして、世界中のコレクターを魅了し続けています。
本品は Proof 仕上げで、NGCにより PF63 と認定された貴重な一枚です。市場に流通する個体の中でも保存状態が良く、クリーニングの痕跡も見られないことから、特に高い評価を受けています。
表面 (Obverse)
女王ヴィクトリアの冠を戴いた胸像(ゴシック様式)を左向きに描写
肖像下部に小さく「ww」(ワイオンのイニシャル)刻印
外周はトレフォイル(クローバー)とアーチ模様で縁取り
ゴシック体小文字による銘文
銘文: Victoria dei gratia britanniar. Reg: f: d:
裏面 (Reverse)
十字状に配置された4つの盾(イングランド、スコットランド、アイルランドの紋章)
四隅に王家の象徴的な意匠を配置、中央にガーター星章
縁取りに「w」刻印
ローマ数字による日付「MDCCCXLVII」
銘文: tueatur unita deus anno dom mdcccxlvii
ダイアクシスは反転(inverted die axis)
エッジ (Edge)
浮き彫り銘文 DECUS ET TUTAMEN ANNO REGNI UNDECIMO.
「栄光と護り、即位11年目の年」という意味を持つ伝統的な銘
発行年: 1847年
材質: 銀 (Silver)
直径: 約38mm
デザイナー: William Wyon
グレード: NGC PF63
カタログ番号: Bull 2571 / Spink 3883
鑑定番号 : 6674853-001
https://www.ngccoin.com/certlookup/6674853-001/63/
1847年のゴシック・クラウンは、ヴィクトリア女王時代の美意識を凝縮した芸術的傑作です。Proof 仕上げによる鏡面フィールドと緻密な彫刻、そして長年の保管によって生じた深みあるトーンは、単なる貨幣を超えて美術品としての価値を放っています。
世界的に人気が高く、状態の良い個体は年々入手が難しくなっており、まさにコレクションの中心を飾るにふさわしい一枚です。
ゴシック・クラウンはその芸術性から Proof 仕上げが特に人気ですが、市場に流通する個体の多くは長い年月の中で摩耗やクリーニングを受けており、鑑定評価が伸びにくいのが実情です。その中で PF63 は、鑑定会社が「本来の輝きを十分に残し、かつ大きな欠点がない」と判断する水準であり、コレクションにおいて十分に誇れるクラスです。PF62以下の個体に比べて鏡面や細部の美しさが格段に違い、かといってPF64以上の超級レアグレードほど価格が跳ね上がらない、まさに「入手できる現実性と長期的な資産性のバランス」が両立した位置付けといえます。
さらに本品は、深みのある美しいトーンが均一に広がっており、鑑定点数以上の存在感を放ちます。Proofならではの輝きに色彩が加わることで唯一無二の魅力を持ち、まさにコレクターが求める「希少性」と「美観」が同時に備わった個体といえるでしょう。
備考:海外ディーラー共有在庫